アバドンの胃袋

ここでは、昔は言葉の意味の通り『底なしの穴』アバドンであった私(現在人並み)が食について考えたページです。

1.豚肉

豚

 昔の川柳で、「楊貴妃はきれいな顔で豚を食い」と云われた物ですが、今や日本の食生活の中で大事な一端を担うものとなりました。先祖をたどれば猪を家畜化したのが起源となっています。その根拠として中国で子豚の丸焼きを「火考乳猪」と表記します。
 この豚肉、栄養面ではとても優れています。肉はたんぱく質だけでなくビタミンB1が豊富で、また、豚足や耳などの部位は良質のコラーゲンが含まれ、脳血管の強化や、お肌のケアにも効果があります。
 よく、豚はあまり衛生的に良くないイメージが持たれがちですが、実は豚は綺麗好きで、不衛生なイメージの原因は生育側の管理状態に左右されるわけです。
 日本の養豚業の中では、鹿児島の黒豚、東京のトウキョウX、和歌山などの山に近いところのイノブタなど様々な品種が生育されています。
 また、近年注目されていますのは、スペインはハブコ地方のハモンイベリコ通称イベリコ豚です。この豚の肉は何が素晴らしいと言いますと、普通の豚と違い脂肪分の大半がオレイン酸で構成されています。オレイン酸は不飽和脂肪酸の代表的なものでオレイン酸は、善玉コレステロールを下げずに、この悪玉コレステロールだけを下げる成分として、近年、注目されています。  日本でもこのイベリコ豚養豚法は養豚業の中でも注目を浴びています。其の事に関しては、「おばか様の妄想アイディア廃棄所」でくわしく書きますので興味をもたれたらご一読を。

2.豆腐

豚

 さて続きましては、日本で古来から愛されてきた豆腐についてですが、この豆腐という言葉は、ある面で節操が無く、大豆原料でも無くても四角い食品で固めたものは豆腐と言ってしまいます。溶き卵を出しで固めた卵豆腐、いりゴマのエキスを葛で固めた胡麻豆腐、沖縄のピーナッツのエキスを胡麻豆腐のように固めたジーマミー豆腐など、果ては仏教徒の方便で鮪の肉を「赤豆腐」などとも呼ばれてきました。
 裏を返せば、それだけ豆腐というものは日本の食文化に浸透してきたとも言えます。  さて、話を戻しますと、この豆腐作り方は単純で有りますがその肯定は大変なものでして、まず大豆に水を吸わせまして、次に茹で、絞り豆乳を作ります。その豆乳に、凝固剤を加えて形にはめ込み完成です。この作業は、火傷やあかぎれがおきやすいものと豆腐屋さんは苦労してきたものです。
 豆腐の凝固は、酸性によって起こされます。と、言う事はアルカリ性の水につければ、豆腐の旨みを溶け出させるのではないのか?このコンセプトを元に生み出されたのは、佐賀県は嬉野温泉名物「温泉湯豆腐」です。この温泉湯豆腐は、アルカリ性の温泉水で加熱する事によって豆腐の凝固を弱め、鍋の中のだし汁の中に豆腐のエキスが溶け出し他の具材の味を引き立たせる料理です。その味たるや豆腐の濃厚な味わいが、共に煮込んだ野菜や魚介類の味を強化しつつ、豆腐自体も柔らかさが増し、まろやかな食感になります。
 ぜひとも、嬉野温泉に行かれた際には、ご賞味の程を!!

3.合鴨

合鴨

 豚肉、畑の肉、続いてまた肉です。合鴨は、マガモとアヒルを掛け合わせた雑種なのですが、元々アヒル自体漢字で書くと「家鴨」と書くようにマガモを家畜化した動物で、よりマガモに近くなった鳥ともいえます。
 また、有機農法のひとつとして、合鴨に農作物に寄生している害虫を食べさせる合鴨農法がありますが、この合鴨農法に使われた合鴨は飼育が難しい事や養殖の合鴨を野生に離す事が禁止されていることもあって、残酷ですがお肉になってしまい市場に流通しています。
 しかし、その事実を忘れさせてくれる位に合鴨はマガモとアヒルの欠点を補う特性があります。
 合鴨の肉は、鴨肉に比べると一般に脂身が多く、赤身は癖がなく柔らかいが味はやや薄いものです。しかし、アヒルは生産性は高いのですが脂が強すぎて味が鈍重ですし、マガモはエサを食べれたものなら合鴨に勝りますがかなり不確定な博打的要素が含まれています。それに対し、合鴨は均一にエサを得る事が出来るために均一な肉質となるのです。
 そして、鴨の肉はイベリコ豚のように脂肪にリノール酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれダイエットに適していると言われています。

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