神々の島、バリに伝わる癒しの技法は
『ロンタル・ウサダ』というヒンドゥー思想に従った経典が基礎になっていて
呼吸を合わせながらゆっくりと指や手根で適度な圧力を加えるのが特長です。
その動きはガムランのリズムのようなうねりを持っています。

バリには『スカラ』という目に見える世界と
『ニスカラ』という目に見えない世界を表す言葉があります。
目に見える世界の背後で動いている目には見えない世界を含めた
五感を癒すこと。
そのためにも施術前にはドゥパ（お香）を焚いてスンバヤン（お祈り）を捧げ、
相手に宿る神に敬意を払います。

バリニーズではたくさんの花を使います。
花には心身を浄化して、悪いものを流し出す力があるといわれています。
花は人間と自然界とのかけ橋であり、清らかな心を象徴しています。
お湯に花を浮かべるのは、悪運を追い払うという言い伝えから。

8世紀中頃よりジャワの民間で母から娘に受け継がれてきた『ジャムウ』と呼ばれる
植物生薬系の治療薬を取り入れたトリートメントや
頭皮と髪を健康に保つクリームバス、花々をたくさん浮かべたフラワーバスなど
ボディーワーク以外にも様々なトリートメントがあります。

●視覚
お花をたくさん浮かべた優雅なお風呂（フラワーバス）で血行を良くし
心からリラックスさせる。

●嗅覚
天然のエッセンシャルオイルの香りで体の免疫力を高める。

●聴覚
やさしい音楽で心と体をを心地よく刺激することにより、脳のアルファ波が増え、
免疫細胞が活性化し治癒力も高める。

●触覚
オイルとハンドだけのマッサージは、リンパの流れに沿って
手の平を使い円を描くような動きで穏やかに指圧し、血流を良くし、筋肉痛をやわらげる。
また、自然成分のクリームをたっぷり使って頭皮のマッサージを行うクリームバスは
疲れ目や肩凝りに効果的。

●味覚
インドネシアンフルーツのオイルやスパイスとハーブだけでつくられた
ジャムウ、ルルールやボレーなど。それらはすべてエネルギー代謝を活発にする作用がある。


※ジャムウ
インドネシアの伝統的な自然薬で漢方薬のようなもの。
インドネシア人にとっては生活に溶け込んだ大衆薬でゴクゴク飲んでいる姿をよく目撃します。
ドリンク系からピル系までその種類は様々です。バリのスパではフラワーバスで
くつろいでいる時に出されることが多いようです。

※ルルール
ルルールはジャワの王宮に伝わる特別なスクラブ用原料で
お米の粉やターメリック、サンダルウッドなどの薬草が主成分。
ジャムウが飲用するのに対し、肌から直接有効成分を吸収しようというのがルルールです。

※ボレー
ルルールがジャワ（インドネシア）の伝統的な呼び方に対しボレーはバリ固有の呼び方。
ボレは血液循環を促進し筋肉や関節のをやわらげる効果があります。


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